1月18日、新春の陽光に包まれるなか、第37回選抜女子駅伝北九州大会が開催されました。大会前日の開会式で「どんと構えた小倉城へ丙午(ひのえうま)のような情熱で駆け抜けます!」と力強く挨拶したのは、昨年優勝した神村学園のキャプテン瀬戸口凛さんです。その神村学園の1区武田星莉(きらら)さんと2区白峰袴羽(こはね)さんは沖永良部島出身。「島には400mの競技場がありません」「島から鹿児島市まで船で15時間位かかるんです」と話す2人が素朴で可愛らしくて応援していました。結果は高校の部で7位。
そんな中、実業団チームを抑えて先頭でフィニッシュしたのは、大阪薫英女学院でした。昨年12月の全国高校駅伝では2位でしたが、そのメンバーに入れなかった薮谷柚芽さんと黒葛原唯夏さんの、悔しさをぶつける力走が光りました。
チームの先輩には前田穂南さん(東京、パリ五輪女子マラソン代表)がいますが、彼女も全国高校駅伝のメンバーに入れず補欠だったのです。そして2015年にこの大会を走り、後に世界に羽ばたきました。私は解説をしながら、それぞれの選手のチャンスの舞台となっていることが嬉しくて、「人間万事塞翁が馬」だなと思いました。そのためにも、選手達には出来るだけ多くの舞台を用意してあげたいものです。
今回初参加の旭川龍谷高校は、全国高校駅伝に北海道代表で13年連続出場。でも昨年は、地区予選で先頭を走っていたアンカーの選手が、ゴール直前で足を故障し棄権。涙をのみました。「卒業前にもう一度このメンバーで駅伝を走りたい」と思って参加したのです。タスキをつないで、11位でフィニッシュ。全員の笑顔を、小倉城が見守っていました。
(共同通信/2026年1月19日配信)