「戻ることが出来て嬉しい」と前日に満面の笑みで話していたマルセル・フグさん。(パラリンピック車いすマラソン3連覇中)。11月16日、第44回大分国際車いすマラソンで、12回目の優勝を飾りました。昨年は大会前に右手の指を骨折してしまい欠場。この大会を故郷のように思っているフグさんにとっては、一年が終わらないような寂しさがあったそうです。2年ぶりの大分で「今シーズ最後のレースなので出し切る」と話していた言葉通り、中盤から独走する圧倒的な強さを見せてくれました。
テレビのゲスト解説をした私、フグさんに原動力は何ですか?と聞いてみると「戦略を考えながら走る面白さ」と。穏やかな人柄の勝負師です。
女子の部も優勝がマニュエラ・シャーさん、2位がパトリシア・イーカスさんで共にスイス。スイスは車いす陸上が強いですが、その理由の1つに環境の素晴らしさがあります。スイス中央部ノットヴィルにあるパラプレジィックセンター。先天性の病気や事故で下半身まひの患者を専門に、医療やリハビリを提供する病院で、約1,600人の患者さんを約1,500人のスタッフが支えています。
なんと、その敷地内には国際大会が開催できる400mの陸上競技場やスポーツ施設があるのです。フグさんは先天性の二分脊椎で、11歳の時からそこに通って車いす陸上を始めました。中継で解説を務めた花岡伸和さんが「その施設は公営ではなく、会員190万人の会費と寄付で運営されているんですよ」と教えてくれました。子どもから高齢者、障がい者も皆がスポーツに親しめる環境が整っているそう。そして毎年開催される国際大会には世界中のトップ選手が集まります。今度取材に行ってきます!
(共同通信/2025年11月17日配信)