熱田神宮から伊勢神宮まで106.8㎞を、8人の選手で繋ぐ全日本大学駅伝が、11月2日に開催されました。開会式では信州大学の森田克馬さんが「宣誓! 木々が色づき始めた今日この頃、秋風が走者たちの背を押す季節となりました」と始まり、「襷がつなぐのは、速さだけではなく、我々の想いと誇り」と美しい宣誓をしました。お陰でレース本番、柿や桜の木々が頬を染めて選手を応援しているように見えました。
大方の優勝予想は、出雲駅伝を勝利した國學院大学。でも勝ったのは、駒澤大学でした。テレビ局が解説者に依頼した順位予想で、私の優勝予想は的中したのです。というのも前日の記者会見。青山学院大の原晋監督が、チームの出雲駅伝の失敗に触れ「負けには2つの理由がある。選手に力がないのと、監督の配置ミス」と話したからです。駅伝は足し算ではないと思っていましたが、エントリー表を見て駒澤大学が5区に伊藤蒼唯さんを入れたのをみて確信しました。何位でこようとも、春の学生選手権1万mで優勝している伊藤さんならゲームチェンジができるからです。そして終盤の7区8区には佐藤圭汰さんと山川拓馬さんの実力者がいます。
さてレース。伊藤さんは4位で襷を受け取ると、区間新記録の走りで先頭に立ちました。そこから駒澤大学は先頭を譲らず、2年ぶり17回目の優勝を果たしたのです。終盤へのつなぎである5区に、ゲームチェンジャーを置ける選手層の厚さも勝因です。
選手宣誓をした森田さんが2区を走った信州大学は、27チーム中24位。地区予選を勝ち抜き、4大会ぶりの伊勢路の健闘を皆で讃え合っていました。それぞれが輝く大学駅伝の爽やかさに、心がホカホカしました。
(共同通信/2025年11月10日配信)