岡山城が令和の大改修で新しく生まれ変わり、「さぁ~皆さんも、新しい自分でがんばってくださいね」と私は開会式でご挨拶。12月18日、有森裕子杯人見絹枝杯山陽女子ロードが開催されました。当日のスタート時の気温は4度と低く、風も5mあり、そのせいか、選手たちは体が固くなってしまったよう。序盤はスローな展開。大きな集団でしたが、5㎞手前で3連覇がかかるデンソー所属のゼイトナ・ブーサンさん達5人のアフリカ勢が少しペースアップ。でもそこに日本選手は誰も付きませんでした。
そして15㎞前から九電工の唐沢ゆりさん(27歳)が第2集団から飛び出し追随。すると「ここで追いかけるより、5㎞手前で追わなきゃいけなかった」と有森裕子さんが解説で叱咤激励。確かに岡山で世界の風を感じられるのですから、自分を試すチャンスなのです。
そして先頭集団から最後抜け出し切れあるラストスパートで優勝したのは、マーガレット・アキドルさん(コモディイイダ)。長身の選手で初マラソンでした。監督の会沢陽之介さんの話しによると、「彼女のライバルは男子選手なんですよ」と。チームの男子はお正月のニュイヤー駅伝にも出場しますが、アキドルさんはいつも練習で男子選手と競い合っています。それが強さの秘訣!新潟県の高校で3年間過ごしましたが、目立った活躍はなく、実業団に入ってから力を付けました。「明るくて、日本に来てから自転車に乗れるようになったと喜んでいます」と会沢さん。ケニアでは多くの人が歩いたり走ったり、何より道がデコボコなので自転車はあまり必要ないのです。これからも日本の選手がアフリカの選手達と切磋琢磨して強くなって欲しいです。
(共同通信/2022年12月19日配信)