15年前から、発展途上国の子どもたちを支援する活動をしています。特に女の子の支援に注力。国際NGOのプランインターナショナルジャパンという団体ですが、そこが40周年を迎え、都内でイベントが開かれました。私はトークショーに参加。会場におよそ200人、オンラインで300人の支援者を前に、スーダンで支援活動をしてきた道山恵美さんと対談をしたのです。
道山さん達は、エチオピア北部から隣国スーダンに逃れてきた人が暮らす難民キャンプで「スポーツの大会をしましょう」と提案。息抜きになればいいと考え、何をするかは難民の皆さんにお任せ。すると、サッカーなど球技と言うかと思ったら、「走る競争をしたい」と。100mの大会になったそうです。
スクリーンに映し出された映像には、赤土の広場に人垣でコースが出来、応援する人はサンダルやクツを履いています。でも「速く走ろうとする時は裸足なんですね」と道山さん。裸足の子どもが多く、みんな目がキラキラしています。さすが、アベベさんの故郷だと思いました。
そして最終の女子決勝の後に、観客の多くがその後ろを追いかけて走り出したのです。まるでフォレストガンプの映画みたい。
道山さんは「紛争などで精神的に辛い経験や心理的に負荷がかかった時にスポーツはいいようです」と話しました。時には、カウンセリングよりもスポーツが効果的だという論文もあるそうです。嬉しくなりました。
思い出したのは、支援活動でラオスに行った時。話しかけてもなかなか歩み寄らなかった子どもたちが、一緒に走ったら全員が笑顔になったこと。これから難民キャンプや災害時の避難所で、スポーツは生かされそうです。
(共同通信/2023年5月8日配信)