福島県郡山市の開成山公園はバラの花が満開でした。その公園の中にある陸上競技場で、6月18、19日、北海道・東北パラ陸上競技選手権大会が開催されました。初日に郡山市長の品川萬里さんが来てくださり、「私は車椅子の人たちが快適に暮らせる街づくりを目指しているのですよ」と。駅から競技場まで近いこと、また東京パラリンピックではハンガリーの水泳選手たちが合宿を行ったこともあり、品川さんはパラスポーツへの関心が高い方。
そんな品川さんの前で、佐々木真菜さんが400mを00で走り自身の持つアジア記録、日本記録を更新しました。ただアジア記録は幻に。というのも、スターティングブロックが公認のもの(スタートの電子ピストルと連動する)でなかったためなのです。買うにも借りるにも財源のなさから使用出来ず、本当に申し訳なかったなと思います。
福島県は円谷幸吉さんをはじめ、多くの五輪ランナーを輩出しています。2020東京大会には相澤晃さん(1万m)、山内大夢さん(400mハードル)が出場。今年7月の世界選手権の代表に遠藤日向さん(5千m)が決まりました。
そんな陸上王国で、場内アナウンスをする福島陸上競技協会の方の中に、なんと山内大夢さんの母、三重子さんの姿が。スラリと背が高くスマートな方で、彼女は昔400mハードルのインターハイ優勝者。大夢さんは三重子さんが作るパエリアが大好きだったそうです。そして「主人が厳しかったので、大夢は何事もあきらめない気持ちが強かったですね」と三重子さん。ご主人も元110mハードルの選手で、会津高校の教員として大夢さんを直接指導。開成山陸上競技場は、皆の運を開いていました。
(共同通信/2022年6月20日配信)