豪快な君原さん
近代オリンピックの翌年に産声をあげたボストンマラソン。偶然にもその大会の優勝者、君原健二さんと瀬古利彦さん、川内優輝さんが勢揃い。11月下旬、ランナーズ財団が行うランナーズ賞の受賞式と共にトークショーが開催されたのです。私は司会でしたが、その必要がない楽しさ。
1966年優勝の君原さんは「私は結婚後でしたから、結果が悪いと女房のせいだと言われてしまうのでがんばりましたよ」と。「ゴールにビールが用意されていたんでしょ」と瀬古さんが言うと「よく分かりましたね。500mlの缶を一気に飲みほしました」と味わいのある君原節で。と、会場から奥さんの和子さんが「5本、5本よ」と手を挙げて参戦。大爆笑の中、「よくそんなに飲めますね」と川内さん。「自分もレース前日はカレーを2、3人前食べますが、お酒は・・」と。
81年と87年、2回優勝している瀬古さんは「僕は中村清さんの厳しい練習のお陰」と。「瀬古さんの本は全部読んでいます。1日60キロ走る日もあり、すごいです」と川内さん。87年生まれの川内さんは瀬古さん以来31年振りの日本人優勝者です。息子を見る眼差しで「川内くんは暑さが苦手って言うけど、札幌になったんだから、東京オリンピックを狙うよな」と瀬古さん。川内さんは苦笑い。3人に共通しているのは、明るさと走り込みの量。長い距離も根が明るいからこなすことが出来るのでしょう。
トークショーの後にも君原ご夫妻を囲んで大盛り上がり。ボストン優勝後、メキシコ五輪出場への意欲が薄れる君原さんへ、恩師の高橋進さんは毎日お肉を持ってきてくれたそうです。「ビールとお肉につられてました」と話す君原さんに、また爆笑でした。
(共同通信/2019年12月2日配信)
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