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おしゃべり散歩道2019

強い陸上ファミリー

 灼熱のドーハ世界陸上から帰国すると日本は長袖で歩く人が多く、街は秋色。陸上千夜一夜物語として語りたいのは、20歳の女子選手の活躍です。女子5000mで、田中希実さんが予選で日本歴代3位(15分04秒66)、決勝で日本歴代2位(15分00秒01)の記録を打ち立てました。私は現地で解説しましたが、希実さんの大舞台に動じない肝が据わった走りに驚嘆しました。私自身は同じ20歳の時に出場したロサンゼルス五輪でプレッシャーに負けてしまったからです。希実さん、予選では「ラスト3000mを(3000m競技の)自己ベストを出すつもりで走ります」と話したほぼその通りの走りを。また決勝は「世界最高峰の選手とガチンコ勝負を楽しみたいです」と。そして走り終わると、「楽しめました、学べました」とにっこり。大物感が漂っているのです。
 実はお母さんの千洋さんは友人で、彼女は97年と03年の北海道マラソンで優勝。妖精のような雰囲気は今の希実さんと似ています。偶然にも、帰りのドーハの空港で千洋さんとご主人の健智さん、妹の希空ちゃんとお会いしました。祝福し合った後、「97年の北海道マラソンの2ヶ月後に結婚して、希実はその2年後に生まれました。増田さんには親子二代で解説して頂いて幸せ」と千尋さん。同じ市民ランナーの健智さんが隣で微笑みながら「岐阜の御岳山(標高約1600m)の合宿にも連れて行ったので、希実は生まれた時から高地合宿してましたね」と。「アフリカの選手のようですね」と私。希実さんは、同志社大学に通いながら週末に質の高い練習をしています。娘を父の健智さんがコーチする陸上ファミリー。新しいスタイルで時代を築きそうです。

(共同通信/2019年10月7日配信)

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