海外武者修行で自立心
6月30日、日本陸上競技選手権大会最終日。博多の森陸上競技場(福岡市)は初日からサニブラウンさんや桐生さんらの100mで盛り上がり、この日も観客席はいっぱい。私は女子5000mを取材に訪れました。特に注目したのは木村友香さん。今年4月にチームを移籍して資生堂に。その準備も兼ねて、昨年12月末から約3ヶ月間、オーストラリアのメルボルンに一人武者修行に行っていたのです。その成果はいかに?
レースは小雨のなか行われ、日本郵政の鍋島莉奈さんや廣中璃梨佳さんらが先頭を入れ替わりながら進みました。ラスト400mで鍋島さんがスパート。木村さんは徐々に追い上げ追いつき、今度は残り200mで木村さんがスパート、堂々の優勝を飾りました。「お世話になった方々に恩返しが出来ました」と木村さんは満面の笑み。勝因は?と尋ねると「心が強くなったからだと思います」と、メルボルンでの話しをしてくれました。
所属していたメルボルン・トラッククラブは、地元、カナダ、ニュージーランド人らが15人。そのうちの何人かと一緒に練習を行う日もありましたが、基本、コーチは練習メニューを作ってくれるだけ。それを自力でこなし、お陰で自分で色々考えて競技する習慣がついたそうです。
また日本では、毎朝6時から12km位走ってから朝ご飯。でもクラブでは朝練習を行わずに午前中に集中して質の高い練習を行う選手が多かったようです。木村さんもそうしてみたら、「一つ一つの練習に集中出来て疲れも溜まりにくくなりました」と。強くなる環境を求めて行動し、支えてくれた人への感謝を結果で表していく。自立したアスリート木村さんのこれからの活躍が楽しみです!
(共同通信/2019年7月1日配信)
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