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おしゃべり散歩道2019

ハーフで日本歴代3位

 立春の前日、陸上界に一足早い春の訪れが。丸亀国際ハーフマラソンで、鈴木亜由子さんがハーフマラソン日本歴代3位の記録で2位に入る快走をみせました。優勝したのはケニアのベッツィ・サイナさん(リオ五輪女子1万m5位)ですが、2人はずっと先頭を走り、ラスト1kmでサイナさんがスパート。亜由子さんはついていけませんでした。「悔しいですが、課題はあった方がいい」とレース後に話す亜由子さん。視線はすでに2020年に向いています。
 高橋昌彦監督は「一週間前に全国女子駅伝のアンカー(10km・愛知県チームを優勝に)を全力走って、疲労が残る中、今日はジョギングみたいに走ればいいと思っていましたけど」と、彼女の底力に驚いていました。丸亀のレースの後、日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古利彦さんは「マラソンで2時間20分切れるね」とご機嫌。確かに、今回は初ハーフでしたが、亜由子さんは昨夏に初マラソン(北海道)に挑戦し、優勝しました。
 そして何といってもトラックで鍛え上げたスピードが魅力です。これまで彼女はリオ五輪など女子5000m、1万mで世界の舞台を何度も経験。トラックでは、1kmを3分2〜3秒で走ることに慣れている彼女が、今回のハーフは1kmを3分13秒。マラソンで2時間20分を切るためには、1kmを3分19秒。スピードに余裕がもてるのです。
 加えて、秀才ランナー亜由子さんの集中力も魅力です。「失意泰然、得意淡然」という座右の銘をもつ亜由子さん。丸亀ハーフの翌朝、優勝したケニアのサイナさんと朝食を共にしました。流暢な英語で会話し「ケニアに練習に来てください」と言われて、目を輝かせたのです。

(共同通信/2019年2月4日配信)

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