共生社会を目指して
さまざまな色が混ざり合い、織傷が個性を醸し出す「さをり織り」。山口県知事の村岡嗣政さんからプレゼントされたのは、特別支援学校の生徒たちの手作りによるトートバッグでした。2月上旬、特別支援教育フェスティバルの講演で山口市を訪れた時ことです。
46歳の村岡さんはマラソンの自己ベストが4時間10分。「下関海響マラソンで4時間を切って、防府読売マラソンに出場するのが目標です」と元気満々。スポーツ好きとあり、活動も活発です。
山口県では民間企業や個人から寄付を募り、県の障がい者スポーツ協会が「やまぐちパラアスリート育成ファンド」を2年前に設立。県内のパラアスリートを支援しています。「合宿や遠征費などに活用して競技力向上につなげて欲しい」と村岡さん。官民一体となってパラリンピックを目指す選手を応援する全国初の試みです。また「あいサポートスポーツフェスティバル」を毎年秋に開催していますが、それは障がい者と健常者が一緒にスポーツで楽しい一日を過ごすイベント。「吉本興業の芸人さんも出演して、盛り上げてくれますよ」と村岡さんは話しました。強化と普及の2本柱がしっかり出来ているのがいいなと思います。
この日の講演で、私は山口県長門市出身の金子みすゞさんの詩の話をしました。最近はよく「共生社会」という言葉をよく耳にしますが、みすゞさんは大正時代に「みんなちがって、みんないい」という言葉を「私と小鳥と鈴と」の詩の中でうたっているのです。お互いを認め合い、励まし合う社会はステキです。2020年大会のレガシーとして、スポーツを通じて共生社会を実現する動きが全国に広がることを期待します。
(共同通信/2019年2月8日配信)
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