増田明美のホームページ ビデオメッセージへ各種お問い合わせへトップページへ

TOP > おしゃべり散歩道 > 2019年目次 > エッセイ第2回
プロフィール
おしゃべり散歩道
イベント情報
出演予定
執筆活動
リンク集

おしゃべり散歩道2019

それぞれの引き際

 松の内を過ぎてから引退の発表が続きました。サッカー元日本代表ディフェンダー中沢佑二さん(40歳・横浜Fマリノス)と元日本代表ゴールキーパー楢崎正剛さん(42歳・名古屋グランパス)が、今シーズン限りで引退。長年、日の丸を胸に世界と戦ったお二人。プロサッカー選手の引退時期の平均は25〜26歳と言われるなかの活躍に、心からお疲れさまでした。
 選手は日々様々な決断を。故障と紙一重の体の状態で今日の練習をどうするか、体の不調を感じながら次の試合に出るかどうか、チームの移籍等々。それらはコーチや周りの人のアドバイスをもらいながら判断することが多いです。でも引退だけは、自らが決断しなければならず、引き際に悩む選手は多いのです。
 「引き際が大事だぞ」とお父さんから言われてきた吉田沙保里さんが引退を発表。女子レスリングで世界大会16連覇を成し遂げた吉田さんですが、会見を聞きながら、引き際に悩んでいたことが分かりました。リオで五輪4連覇を成し遂げたら引退しようと思っていたそうです。有終の美を飾りたかったでしょう。
 でもリオでは銀メダル。結果、ここでは辞められないと。「負けた人の気持が分かった」と話すのを聞いて、神様はあえて銀メダルを吉田さんに授けたのかなと思いました。勝ったままよりも、負けを経験した吉田さんだから、失敗した人の気持ちが分かると思うからです。
 故郷の三重県では2014年に県と共に「夢追人 吉田沙保里大賞」を創設。吉田さんは「選手と共に、“ジュニア時代の指導者”も表彰してください。その力は大きいのに、あまりスポットが当たっていないから」と。この活動も含め、吉田さんの今後が楽しみです。

(共同通信/2019年1月14日配信)

次のエッセイを読む 【2019年の総合目次へ】 前のエッセイを読む


Copyright (C)2001-2019 Kiwaki-Office. All Rights Reserved.
サイト内の画像・文章等の転載・二次利用を禁じます。