皇位継承を控えて
天皇陛下が生前退位される日が2019年4月30日に正式に決定しました。その1週間ほど前に「私たち家族は一様に安堵しております」と穏やかな表情で語った秋篠宮さまの言葉が印象的でした。そんな中、NHKスペシャルで「皇位継承へ素顔の“新天皇”」と題して特別番組が放送されることに。高貴な番組から何故か私 にコメンテーターとしてお声がかかったのです。雅子さまと年齢が同じこともあり、私も適応障害の病気を経験したことがあることも理由かもしれません。
番組に出演し、天皇陛下の活動の様子をよく知ることが出来ました。1947年の現行憲法施行前まで天皇は元首とされてきましたが、「象徴天皇」に。そして“象徴とは何か”を考えられた昭和天皇は、戦争や災害で被害を受けた人に寄り添って、色々な現場に足を運ばれてきたのです。またそれを引き継いだ天皇皇后両陛下は、被災者を見舞うなか、時には膝をついて語り合うこともありました。お年を召されてもサイパンやパラオなどまで足を運ばれ、慰霊を行い続けて、多く人の心を幸せにされてきたのです。
国民から大きな尊敬を集めた天皇皇后両陛下だったがゆえ、皇太子さまと雅子さまにはプレッシャーがあるかもしれません。でもお二人らしく、国際交流などの活動も期待したいと思います。番組では、皇太子さまが水に興味をお持ちなことも知りました。発展途上国では安全な水を確保するのが難しいのです。元外交官でいらした雅子さまはしっかりと支えていかれると思います。天皇陛下から皇太子さまへの襷渡し、そして美智子さまから雅子さまへの襷渡し。沿道からの温かい声援を受けて、自分らしく走って頂きたいです。
(共同通信/2017年12月11日配信)
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