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おしゃべり散歩道2017

競技に打ち込む大迫さん

 瀬古利彦さんの予想的中。11月末に東京のホテルで第30回ランナーズ賞の受賞式が行われ、その時のトークショーで「今週末の福岡で大迫君が2時間6分から7分台で走ると思う」と瀬古さんは話しました。その福岡国際マラソンで、大迫傑さんは2時間07分19秒の記録で、日本人トップの3位に。「東京五輪の予行練習になった」と話す大迫さんが頼もしく、日本のマラソンに明かりが灯った感じです。
 対談の時、瀬古さんは「100mの桐生君のように、マラソンでも誰かが風穴を空けると続くんだよね」と。確かに、桐生さんが10秒の壁を破ったあとに山縣亮太さんが向かい風の中10秒00をマーク。ケンブリッジ飛鳥さん、サニブラウン・ハキームさん、多田修平さんなど群雄割拠です。また女子マラソンでも1998年のバンコクアジア大会で、高橋尚子さんが日本記録を一気に約4分縮める2時間21分47秒で駆け抜けました。すると山口衛里さんが翌年2時間22分台で走るなど、どんどん後に続いていったのです。
 大迫さんの中学生の頃を知る先生と話したことがあります。彼は町田市のグラウンドで、いつも独りで腕につけたストップウォッチを押しながら過酷な練習をしていたようです。普通はインターバル走など厳しい練習は、集団でスピードを上げ合いながら行うものですが、大迫さんはそれを子どもの頃からたった一人で行っていたのです。
 早稲田大学で活躍した後も、単身アメリカに渡り、アルベルト・サラザールさんのチームで練習。言葉も生活習慣も違う中で競技に打ち込み、自分を磨き続けています。雰囲気にもどこか「孤高の人」が漂う大迫さん。大舞台で驚く結果を出しそうな気がします。

(共同通信/2017年12月4日配信)

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