おしゃべり散歩道– category –
共同通信「おしゃべり散歩道」のエッセイをご覧いただけます!!
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自信満々のデフ日本代表
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神奈川県立スポーツセンターの陸上競技場は八重桜のピンク色に包まれていました。それはまるでデフリンピック(4年に1度の聴覚に障害をもつ選手達の世界大会)に出場する選手達を応援しているよう。5月にブラジルで開催される大会に向けて、選手達は合宿をしていたのです。最終日に結団式が行われ、私は練習を見てから結団式に出席。すると「来てくれたんですね。嬉しいなー」と佐々木琢磨さん(28歳)。ニコニコしながら手話通訳を通して話してくれました。彼は100mサンバの、200mの選手で「ブラジ... -
完全試合に勇気もらう
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桜前線北上中、スポーツ界も華やいでいます。千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手(20歳)がオリックス戦で完全試合(1人のランナーも出さない)を達成。28年ぶりの快挙です。涼やかな顔にサムライのように鋭い目。佐々木さんの活躍に元気をもらった人は多いでしょう。 彼のこれまでの歩みを知っている人も多いはず。岩手県陸前高田市の出身で、9歳の時に東日本大震災で父と祖父母を亡くしました。私の甥っ子が今11歳。同じ位の年齢で父親を亡くすことを想像すると、彼がどれほどの悲しみを乗り越えてきたの... -
多様性の大会、新たな一歩
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健常者と様々な障がいを持った選手が一緒に競技する「オール陸上」を3月21日、26日、27日に開催。最終日の27日は駒沢公園陸上競技場の桜は満開で、天気予報に反してお日さまも顔をみせてくれました。 プログラムを見てびっくり。東京パラリンピック男子走幅跳び(T63) 4位入賞の山本篤さんが、800mと5千mにエントリーしていたからです。ほんとに走るの?と聞くと「今日は僕にとってもオール陸上なんです。がんばります」と山本さん。義足でトラックの中・長距離は大変なはず。でも山本さんは、800... -
平和願う俳句寄せられ
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俳人の黛まどかさんが、「京都×俳句プロジェクト」でインターネットを通じて世界中から俳句を募集しています。「俳句は花鳥諷詠、いのちを詠みます。こんな時だからこそ世界の人々といのちを詠み合いたい」と黛さん。今回のテーマは「Haiku for Peace」、平和です。未だコロナ禍で収束はしていません。そしてロシアのウクライナ侵攻は目に余る残酷さ。世界各地でも紛争は続いています。黛さんは、俳句を通して平和の大切さを共有できればと願い、「白鳥の帰りゆく地を思ひをり」と詠みました。その句に私は、... -
陸上で鍛錬、雪上で花開く
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メジャーリーグで大谷翔平さんが大活躍。ダジャレ好きの大学陸上部のある監督さんは、選手達の前で大谷さんをネタにこんな話しを披露しました。「大谷さん、二刀流で昨年はMVPも獲得したよね。でも栃木県の人はバッターだけが活躍しているよ。何故かって?打つのみや、(宇都宮)なんてね」と。若い選手達はポカンとした顔で聞いていました。 さて、その二刀流という言葉が北京パラリンピックでも話題に。というのも、金メダル3つ、銀メダル1つ獲得した冬の女王の村岡桃佳さん。実は夏の東京パラリンピッ... -
千葉からパリへの第一歩
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穏やかな春の陽ざしに道端の菜の花が風に揺れていた3月13日、千葉県総合スポーツセンター陸上競技場で「2021日本ID(知的障がい)陸上選手権」が開催されました。昨年秋、金沢市で予定されていたものが延期となり、千葉市が舞台となったのです。千葉県生まれの私としては、全国から集まった選手や関係者を「千葉らしい温かさ」でおもてなししていたことが嬉しかったです。 事務局長の浅野武男さんは、地元企業の南総運輸株式会社はじめ25の会社に声をかけて協賛を頂きました。その方々が競技を観に来てくださ... -
夫婦合計タイムはギネス記録
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桜の蕾も膨らんできた3月6日、東京の街が久しぶりに賑やかに。昨秋から延期された東京マラソンが、約1万9千人の足音と共に開催されたのです。 男子の日本人トップは鈴木健吾さん(富士通)、女子は一山麻緒さ(ワコール)と、ご夫婦です。お2人の記録を足すと4時間26分30秒で、同一大会での夫婦合計タイムはギネス記録! 実は大会2日前の記者会見で、私は2人に「今、ご夫妻のマラソンギネス世界記録はケニア人ご夫妻がもっています。破る可能性があるのでは?」と聞きました。すると「微塵もありませ... -
中継にも勧誘目線
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菜の花が風に優しく揺れた海の中道海浜公園(福岡市東区)で、2月26日、クロスカントリー日本選手権が開催されました。今夏米国オレゴン州で開かれる世界陸上選手権への第一歩。私はRKB毎日放送のスタジオで、映像を観ながら瀬古利彦さんと原晋さん(青山学院大監督)と解説を。「松枝君にがんばってもらいたいね」と瀬古さんが応援していた松枝博輝さん(富士通)がシニアの部で見事優勝しました。 松枝さんは東京五輪5千mに出場しましたが、海外の選手に手も足もでず、五輪後は思い悩んだいたのです。「... -
物議をかもす判定
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ミュンヘンオリンピック(1972年)で日本男子バレーボールを金メダルに導いた、今は亡き松平康隆監督と会議で何度かご一緒したことがあります。松平さんは「最近は審判にイチャモンをつけ過ぎです。よくないですね」と言われていました。審判を信じることは日本人の美学だと私も感じていたのです。でも北京五輪を観ていたら、天国の松平さんもさすがにイチャモンをつけたくなるのではないでしょうか。 スノーボードの男子ハーフパイプでは、平野歩夢さんの決勝2回目の演技が、異様に低い得点で首をかしげて... -
飛躍する親子鷹
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梅花の蕾が開いたような喜びを、北京五輪フィギュアスケート男子で銀メダルを獲得した鍵山優真さんに感じました。まだあどけなさが残る18歳。大舞台を楽しむような表情で競技を終えて、採点を待つ「キス&クライ」と呼ばれる場所に、コーチであるお父さんと並んで座りました。マスクで口元が隠れているせいか、二人はそっくり。 点数発表直前、正和さんは優真さんを指差し、両手でキラキラポーズ。いい演技をした息子を讃えたのでしょう。そして高得点が発表されると、喜びを爆発させて抱き合いました。父と息...