2023– category –
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世界の厚い壁
20233月5日、東京マラソンに約3万8千人のランナーが出場。今年は海外からの参加者が多く、コロナ前の状態に戻ってきた感がありました。 私は女子のレースをフジテレビのオンデマンド放送で解説。今回のレース、男子も女子も日本記録を更新することが目的でした。そのため女子ではペースメーカーが1㎞3分17秒から18秒を刻み、フィニッシュタイムは2時間18分台です。 ペースメーカーはマラソン未経験のケニアの若い女子選手2名と日本の男子選手1名が務めました。でもケニアの2人は先輩に急かされたのか、予... -
進化する和田選手
2023スタート時は雪が舞っていた2月26日、大阪マラソンが開催されました。気温5.4度と寒い中、西山和弥さん(24歳・トヨタ自動車)が初マラソン日本最高記録を樹立。視覚障がいの部で和田伸也さん(45歳・東京パラリンピック1500m銀、5千m銅)がT 11(全盲)マラソン世界記録を更新しました。マラソン界も春です! 和田さんのコーチである安田亨平さん(日本ブラインドマラソン協会強化委員長)は「和田さんの努力とガイドランナーの努力の結晶です」と、とても喜んでいました。走り終えた和田さんも「2... -
マラソンと芸術
2023春一番が吹いた2月19日、3年ぶりに開催された北九州マラソンには、およそ11,000人のランナーが集いました。スタート時はまさにニッポンの元気の象徴で、色とりどりのユニフォームのランナーたちは躍る花のよう。その姿と、プログラムの表紙の絵がマッチしてみえたので、私は心が震えてしまいました。 大会前日、大会のメインビジュアルであるその絵を描いた黒田征太郎さん(84歳)と、北九州が故郷の君原健二さんとのトークショーが。14年前から北九州にお住まいの黒田さんは「君原さんと会えて、私は五... -
ウオーキングで健康に
2023長崎空港から船に乗って、時津に着いた~。私は五木ひろしさんのヒット曲の替え歌を歌いながら登場。2月12日、長崎県時津町で、翌週の西彼杵道路の一部開通を記念したウオーキング大会が開かれました。青空の下、およそ400人の町民の皆さんと3.4㎞を歩いたのです。開会式では「この道を歩けるのは今日だけ。今後は歩くと捕まりますよ」と吉田義徳町長が朗らかにご挨拶。笑いが起きました。 私は時津町の観光ルート開発アドバイザーを務めていますが、コロナ禍でこれまでは町の人とあまり触れ合えませんでし... -
パラ初の国民栄誉賞
2023競技の引退を発表した国枝慎吾さんに、国民栄与賞が贈られる話があがっています。春の訪れにふさわしい明るい話題で嬉しいです。パラスポーツの選手では初めてのこと!テニスの四大大会とパラリンピックを制する生涯グランドスラムを達成するなど、国枝さんは車いすテニス界の王者。現在も世界ランキング1位で、トップのまま引退なのです。 国枝さんにお会いするたびに感じるのは風格。穏やかな中にも、挑戦を続ける情熱が目に表れています。私が「パラスポーツが共生社会の…、多様性が…」と言い過ぎると、「... -
前田彩里さんの復活
2023大阪城公園の梅林では、寒紅や冬至など例年よりも多くの梅が開花していました。1月29日の大阪国際女子マラソンで再び花開いたのは、前田彩里さん(31歳・’15北京世界陸上代表)です。レースは安藤友香さんが先頭集団で積極的な走りを。30㎞以降でエチオピアの2人の選手に離されるも3位に。前田さんは第2集団で5キロ16分50秒のペースを着実に刻み、2時間25分24秒の6位でゴール。見事MGC出場権を獲得したのです。彩葉ちゃんを出産してからおよそ2年。ママさんランナーとして帰ってきてくれて、陸上界にも彩... -
ブレイキンと駅伝
2023小倉城を発着で開催される選抜女子駅伝北九州大会(1月22日)。前日の開会式に向かうため博多から新幹線で小倉駅に到着しました。駅には大きなポスターが。2月のブレイキン(ブレイクダンス)世界大会の宣伝のポスターでした。来年のパリ五輪の正式種目に決まってから注目が集まり、テレビ中継も増えています。小倉での大会は、選抜女子駅伝を中継するRKB毎日放送が制作して全国放送されます。スポーツ局長の吉田竜午さんは「これからどんどん盛り上がりそうなので、東京のキー局に獲得される前にとりました... -
岡山から新星登場
2023山茶花が冬空を彩った1月15日、京都で開催された全国女子駅伝で、ひときわ注目を集めた選手がいます。岡山県代表のドルーリー朱瑛里さん、中学3年生。4区を区間新記録で駆け抜け、17人をゴホウ抜き。その姿はカッコよくて凛々しく、まるで少女漫画から飛び出してきた人のようでした。画面からスター性を感じた人も多かったでしょう。 実は彼女のことは、昨年12月の山陽女子ロードの時から話題になっていました。岡山陸上競技協会の人たちが興奮気味に「岡山にすごい中学生がいるんですよ。高校生や大学生、実... -
正月は駅伝三昧
2023卯年のスタートは群馬県庁を発着で開催されたニューイヤー駅伝でした。関東平野からの初日の出を拝みながら、ヨシ!と気合いを入れて選手達の控え室へ。初仕事は選手の様子を伝え、その後に監督ルームからリポートすること。 一番乗りは富士通の塩澤稀夕さん、続いてホンダの小袖英人さん。2人はマットを敷いて入念にストレッチ行いました。すると連覇がかかるホンダの小川智監督が現れ「(エース)伊藤(達彦)が欠場ですからね。でも何とか自分たちでという気持ちは高まりました」と。 レースは序盤、先頭が...