おしゃべり散歩道– category –
共同通信「おしゃべり散歩道」のエッセイをご覧いただけます!!
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異色のニューヒロイン
大阪城公園の梅林では、寒紅や冬至など例年よりも多くの梅が開花していました。1月29日の大阪国際女子マラソンで再び花開いたのは、前田彩里さん(31歳・’15北京世界陸上代表)です。レースは安藤友香さんが先頭集団で積極的な走りを。30㎞以降でエチオピアの2人の選手に離されるも3位に。前田さんは第2集団で5キロ16分50秒のペースを着実に刻み、2時間25分24秒の6位でゴール。見事MGC出場権を獲得したのです。彩葉ちゃんを出産してからおよそ2年。ママさんランナーとして帰ってきてくれて、陸上界にも... -
笑って新年の幕開けを
小倉城を発着で開催される選抜女子駅伝北九州大会(1月22日)。前日の開会式に向かうため博多から新幹線で小倉駅に到着しました。駅には大きなポスターが。2月のブレイキン(ブレイクダンス)世界大会の宣伝のポスターでした。来年のパリ五輪の正式種目に決まってから注目が集まり、テレビ中継も増えています。小倉での大会は、選抜女子駅伝を中継するRKB毎日放送が制作して全国放送されます。スポーツ局長の吉田竜午さんは「これからどんどん盛り上がりそうなので、東京のキー局に獲得される前にとりまし... -
心をつなぐ駅伝
山茶花が冬空を彩った1月15日、京都で開催された全国女子駅伝で、ひときわ注目を集めた選手がいます。岡山県代表のドルーリー朱瑛里さん、中学3年生。4区を区間新記録で駆け抜け、17人をゴホウ抜き。その姿はカッコよくて凛々しく、まるで少女漫画から飛び出してきた人のようでした。画面からスター性を感じた人も多かったでしょう。 実は彼女のことは、昨年12月の山陽女子ロードの時から話題になっていました。岡山陸上競技協会の人たちが興奮気味に「岡山にすごい中学生がいるんですよ。高校生や大学生、実... -
新年の日本一は旭化成
卯年のスタートは群馬県庁を発着で開催されたニューイヤー駅伝でした。関東平野からの初日の出を拝みながら、ヨシ!と気合いを入れて選手達の控え室へ。初仕事は選手の様子を伝え、その後に監督ルームからリポートすること。 一番乗りは富士通の塩澤稀夕さん、続いてホンダの小袖英人さん。2人はマットを敷いて入念にストレッチ行いました。すると連覇がかかるホンダの小川智監督が現れ「(エース)伊藤(達彦)が欠場ですからね。でも何とか自分たちでという気持ちは高まりました」と。 レースは序盤、先頭が... -
2024年を締めくくる
クリスマスのイルミネーションが街を明るく照らす12月19日、日本陸上競技連盟主催のアスレテックスアワードが、東京・六本木のホールで開催されました。北口榛花さん(やり投げ)や村竹ラシットさん(110mハードル)など錚々たるメンバーが出席。パリ五輪(金メダル)後に数々の受賞式に招かれた北口さんは「着ていく洋服をそんなに持っていなくて…」と話していましたが、この日は黒のパーティードレスがよく似合っていました。また普段はユニフォーム姿の選手たち、体が引き締まっているのでスーツ姿がきまっ... -
復活の走りに感動
12月15日、第43回有森裕子杯人見絹枝杯山陽女子ロードレース大会が開催されました。前日、後楽園を走りに行くと、カエデやイチョウが美しく色づいていました。紅葉あかりで明るい岡山は、今スポーツでも輝いています。サッカーではファジアーノ岡山が悲願のJ1に昇格。また先日はパリオリンピック・パラリンピックのメダリスト達のパレードが行われ、体操3冠の岡慎之介さん達が車から手を振り、街は活気に包まれたのです。 レースは、三連覇がかかるマーガレット・アキドルさん(コモディイイダ)が最初5㎞キ... -
故郷への思いを胸に
池井戸潤さんの小説「俺たちの箱根駅伝」は、正に駅伝が足し算ではないことを教えてくれます。寄せ集めの関東連合チームが、商社を辞めて大学の陸上部を指導することになった甲斐監督のもと、もの凄いチームワークを発揮して快挙を成し遂げるのです。それを伝える日本テレビの現場も、個性溢れるキャラの人たちが絆を深めます。 日本には「タスキをつなぐ」文化が根付いている、と思った折しも、12月7日に愛知駅伝が開催されました。会場となったモリコロパークは愛知万博の会場跡地。美しい木々の紅葉に包ま... -
広がるデフスポーツ
ポインセチアの鉢植えがお花屋さんに並び始めた11月末、駒沢オリンピック公園総合運動場で「第21回デフ陸上選手権大会、第4回日本デフジュニア・ユース陸上競技選手権大会」が開催されました。来年、東京で夏季デフリンピック競技大会が開催され、陸上競技は駒沢で。僭越ながら私は東京陸上競技協会の会長を務めていますが、この日の運営は来年に向けたリハーサルの気持ちで臨んだのです。 参加選手は約170人。競技場内にはピンクや黒などのビブスを着たボランティア(日本財団ボランティアセンターの方々)や... -
クイーンズ駅伝
仙台の街はイチョウの黄葉に包まれ、その中を赤い紅葉が躍動するようでした。11月27日、クイーンズ駅伝が開催され、赤いユニフォームのJP日本郵政グループが優勝。レース前の大方の予想は「積水化学が圧倒的に強い。2位争いが熾烈になる」でした。つくづく駅伝は自己ベスト記録の「足し算」ではない、と実感しました。 優勝したJP日本郵政グループは、1区の菅田雅香さんが先頭とわずか5秒差の3位で好スタートを切り、2区の牛佳恵さんが2位に押し上げます。そしてエースが集う3区で廣中璃梨佳さんが... -
大分国際車いすマラソン
大分国際車いすマラソンは、今年43回目を迎えました。提唱者は日本パラリンピックの父の中村裕さん。大会前日、中村さんが創設した太陽の家を訪問しました。いつものように障がい者の皆さんが電気製品の部品を作ったり、組み立てたりキビキビと働いていました。中村さんが目標にした「障がい者も働いて納税すること」がしっかりと受け継がれています。 そして今回驚いたのは、eスポーツ専用の部屋が出来て、仕事の後に練習していたことです。格闘ゲームが得意な発達障がいのある選手が、夢中で画面に向き合って...