向日葵も応援しているように見えた日本陸上競技選手権大会。新潟のビッグスワンスタジアムで6月27日から4日間にわたり開催されました。私は前半の2日間取材に。田中希実さんの強さにシビレました。彼女のいる所だけ空気が違う感じなのです。
1500mがスタートすると、前半は後方待機。中盤残り800mで先頭に立ち、みるみる後ろを離して優勝。パリ五輪標準記録も突破し、内定を獲得しました。翌々日の5千mも優勝。ただ3冠を狙った800mは、スーパー高校生の久保凜さんに敗れてしまいました。
4日間を終え、父でコーチの健智さんは「(800m、1500mは予選もある中)5レースをやり切ってくれました。でも本人は800mで負けたことが相当悔しいと思いますよ」と話しました。希実さんは最後の150mで脚が動かなくなってしまったそう。「今後の課題ですね」と健智さん。二人はいつも課題を見つけて次に繋げているのです。
今回、女子100mで準決勝に進んだ中学生の三好美羽さんに会えたことも嬉しかったです。走りはパワフルですが、普段は若鮎が弾けるような可愛いらしい少女。予選を通過すると「楽しかった。準決勝進出は奇跡です!」と天真爛漫。記者の皆さんに囲まれても全くの自然体。準決勝で敗れた後も「前と離されちゃいましたが、追っている時も何だか楽しかったです」と。私も「美羽ちゃん、今日は新潟で何を食べますか?」と聞くと、「え、えー?」と私のことを知っていたみたいで、目をまん丸にして驚き「お、お蕎麦です!」と。雰囲気に大物感があります。「4年後はオリンピックに行きたいです」と話す美羽ちゃんを、ずっと応援したいと思いました。
(共同通信/2024年7月1日配信)