パリ五輪が近づき、新聞やテレビでもスポーツの扱いが多くなってきました。柔道の阿部兄妹の出場が決まり、兄の一二三さんが「兄妹で必ず2連覇を達成し金メダルを持って帰る」と話す姿が爽やかで、心からエールを贈っています。
そして私の感性とピッタリの番組「スポーツ!ダサかわいい映像グランプリ」(日本テレビ系列)が、注目されています。メダリストや活躍するスター選手達の子どもの頃、ふとした時に見せるお茶目な側面などを紹介。「その人らしさ」が伝わり、それは私が解説する時に大切にしている「選手である前に人」と重なります。その番組のナレーションをしている時間が、とっても楽しい!
例えば、卓球の伊藤美誠さんが子どもの頃、試合に負けた後に誰にも見られない場所に隠れて涙する場面。ひとしきり泣いて、人前に出た時、赤い目をヘアバンドで覆っていました。「可愛い~」と思わず叫んでしまいました。ディレクターの優しい眼差しを感じながら、美誠さんは当時から心の強い人だったのだと納得。同じく卓球の平野美宇さんは、海外での試合後、好成績に終わった今の気持ちは?と記者に聞かれ、咄嗟に踊り出しました。ネアカな性格が表れています。
そして男子バレーボールは、58年ぶりのメダルが期待されています。その中心となるのが石川祐希さん。イタリアのトップリーグで活躍しています。イタリア語も堪能で、ランチタイムに苦手なトマトを抜いたサラダを注文。でもしっかりトマト入りで運ばれてきて、困惑する表情がファンにはたまりません。
競技だけを追っていたら、こんな映像は撮れないと思います。生身の人間が勝負に挑む、そんな選手への愛と敬意が感じられます。
(共同通信/2024年6月10日配信)