大谷翔平さんが昨年に続き今シーズンのアメリカンリーグMVPに輝いたというニュースが、日本を明るくしています。その発表時に抱いていた犬も話題に。犬種はコーイケルホンディエのよう。犬と無邪気に戯れる大谷さんの姿に、勝負の世界にいる選手にとって動物は心底癒やされる存在なのだと思いました。
11月19日に開催された大分国際車いすマラソン、女子で最後まで先頭争いを繰り広げた世界記録保持者のマニュエラ・シャーさん(スイス)も大変な犬好きで知られています。ボストンテリアのルイくん(5歳・雄)との写真がよくブログにあげられ「シャーの成功はルイのお陰」と、コーチのペレさんも言うほど。大分でお会いしたシャーさん自身、「練習が終わって、夕方にルイと散歩する時間が幸せ」と笑顔で話しました。
この日、私は花岡伸和さんと共にテレビでレースの解説を。スタートすると、シャーさん、カテリーナ・デブルナーさん(スイス)、スンザンナ・スカロニさん(アメリカ)の3人が、風の抵抗を受ける先頭を交替しながらレースを進めました。シャーさんのすぐ後ろにスザンナさんが付いた時、「犬好きと猫好きの戦いです!」と私。と言うのも「猫と遊ぶのが一番のリラックス」というのがスザンナさんだからです。
最後の優勝争いはそんなのんきなことを言っていられませんでした。ゴール前、シャーさんとデブルナーさんが並び、2人の熾烈な戦いに。デブルナーさんが僅差で優勝を果たしたのです。
世界のトップ選手が大分に集い、世界の風を感じた日本選手は刺激になったことでしょう。そして選手の厳しい練習の日々を支えているのが、ペットの存在というのも微笑ましいです。
(共同通信/2023年11月20日配信)