全日本大学駅伝の日の朝(11月5日)、ホテルのロビーに行くとスーツ姿の田澤廉さんの姿がありました。初のゲスト解説をする田澤さん、ネクタイの締め方が分からずに、応援ナビゲーターを務める俳優の和田正人さんに締めて貰っていたのです。「廉さん、入学式の時はどうしていたの?」と私が聞くと、「大八木監督に締めて貰っていました」とにっこり。大八木弘明総監督と田澤さんは、親子のようだなとつくづく思いました。
そしてレースは、田澤さんの母校、駒澤大学が圧勝。1区の赤津勇進さんから一度も先頭を譲らない横綱相撲で、2位の青山学院とは3分以上の差が。私は監督バスの中からリポートを。独走になると藤田さんは「先頭を走る有利さがあるので、1人1人が後半にペースをあげる走りをして欲しい」と話しました。藤田さんはB‘zの大ファンで「今日はウルトラソウル!」と私が歌うと「ハイッ」と答えてくれたのです。真面目な藤田さんがコミカルに反応したので大八木さんは大笑い。ここも親子のようです。
駒澤大の強さは、チーム分けの練習にあると思います。国際大会に出場する篠原幸太朗さん、佐藤圭汰さん、鈴木芽吹さんはSチームで大八木さんがみています。そしてAからCまでのクラスを藤田さんが。同じグラウンドでAの選手はSの選手の練習が見られます。そして自分もいつかはSに、という思いを強くするのでしょう。「そんな中で強くなったのが(アンカーの)山川拓馬ですよ」と大八木さん。
ゴール後、選手の食事を作ってきた大八木さんの奥さま、京子さんの姿も。田澤さんの解説のことを聞かれ、「すごく良かったです」と伝えると満面の笑み。まるでお母さんのようでした。
(共同通信/2023年11月6日配信)