お米や柿、キノコなども美味しい季節です。10月中旬、MGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)が開催された日の午後、国立競技場には午前中の大雨は何だったの?と思わせるような晴れ間が広がりました。そんな中、東京マラソン財団による「第2回パラ陸上教室in国立競技場」が行われたのです。身体、知的に障がいをもつ子ども達が約90人集まり、先生方から指導を。
私も参加しましたが、その先生方の顔ぶれが豪華で、教え方がとっても上手なのです。車いすは、花岡伸和さん。ランニングはヤマダ電機の田中宏昌さん、安部孝駿さんたち。脳性まひの人のためのフレームランニングは、東京大学准教授の平松竜司さん。みんな基本を丁寧に教える中で、「カズくん、すごく良くなった」「ハナちゃん、今の最高だよ」なんて名前を呼びながらよく誉めます。体操着に平仮名で名前が張られているのもグッドアイデア。
ランニングでは、基本の後はジャンプやダッシュの練習、最後はリレー。世界の舞台で活躍した元選手達から応援され、笑顔の花がいっぱい咲いていました。「国立競技場でこんな指導を受けられるなんて夢のようです」と、鎌倉市から来たというお父さん、お母さんも笑顔。
フレームランニングに参加した小学生低学年の男の子は、最初はなかなか進むことが出来ませんでした。でも「地面をポンと蹴って」と、コツを教えて貰い練習を続けていると、風を切って走れるように。改めて基本の大切さを実感しました。
パリ五輪のマラソン日本代表が男女共に2人決まった競技場、その後に1万5千人のランナーが走り、この教室。東京五輪から沢山のレガシーが生まれていることが嬉しい、実りの秋です。
(共同通信/2023年10月23日配信)