駅伝シーズン皮切りの出雲全日本大学選抜駅伝(10月10日)で、初出場の東京国際大学が初優勝しました。アンカーのイェゴン・ヴィンセントさんまで1分以内なら逆転する!思われていましたが、早くも3区の丹所健さんでトップに。そのままトップを譲らず2位の青山学院に約2分の差をつけて優勝したのです。 この日は気温が30度まで上がり「ヴィンセント選手は暑さが得意でないから…、最後までヒヤヒヤしましたよ」と大志田さん。でも全員が区間5位以内、全員駅伝での勝利。ご自身、現役時代は中央大で箱根駅伝に出場し、本田技研工業に入社後はアジア大会1500mで金メダルを獲得するなど活躍。引退後もチームに残り、コーチを11年間務めました。 そして2011年に東京国際大学駅伝部創部と同時に、監督に就任。選手を集めるために、最初は校内放送で部員を募集したそうです。「4人集まりました」と大志田さんは笑います。それから青学の原監督や東洋大学の酒井監督にお願いし、一緒に合宿をさせてもらうことに。たくさん学びながら、「食事面や練習環境など、うち方が恵まれていると感じることもありました」と。選手は感謝の気持を力に、成長してきたのです。 ヴィンセントさんはどんな人ですか?と伺うと「すごく真面目です。貧しい時にイテンのクラブチームでコーチからシューズやウェアを提供された。自分が強くなって今度は後輩達に与えたいと思っています」と。そんな彼のハングリー精神が日本選手に良い影響を与えているようです。「無欲」が座右の銘の大志田さん。選手がスタートラインに立った時、「無欲無心でいられることが大切です」と話します。これから注目のチームです。
(共同通信/2021年10月18日配信)