ツクツクボウシに虫の音が加わり初秋のステキなオーケストラです。8月24日、東京パラリンピックが開幕。その1週間前の結団式では、車いすテニスの国枝さんが「勇気と覚悟をもって戦うことを誓います。たくさんの子ども達に人間の無限の可能性をみて欲しい」と力強くご挨拶。国枝さんは誰もが認める大スター選手ですが、彼に続くスター選手がパラスポーツにも次々と出てきています。
例えば陸上競技では、中西麻耶さんです。一昨年のドバイ世界陸上競技選手権女子走り幅跳びで金メダルを獲得。東京パラリンピック代表も内定し、メディアの注目も一気に高まりました。その年のNHK紅白歌合戦に審査員として振り袖姿で出演した際には「あの綺麗な人は誰?」と話題になったのです。
コロナ禍での移動制限を避けるため、練習拠点を故郷の大分から大阪に移しました。コーチの荒川大輔さん(大阪とテグ世界陸上選手権に走り幅跳びで出場)が大阪府枚方市在住ということもあります。武庫川(兵庫県)の河川敷で練習しながら、土道や草の上を走ることで「義足の操作制が高まって、足に血が通っている感じ」と話します。そして東京パラリンピックでは自己ベスト5m70cmを大きく超える「6mを跳びたい」と。
ところで麻耶さん、サラと言う名前の犬(ラブラドルレトリバー)を飼っています。サラはヘブライ語で「王女」の意味。実はサラちゃんもアスリートでアジリティ(犬の障害物競争)を行っているのです。「家では女同士お互い譲らず、ケンカすることもありますよ」と麻耶さん。サラちゃんといる時が一番のリフレッシュのよう。麻耶さんも王女になれるかな?本番が楽しみです。
(共同通信/2021年8月23日配信)