細川護煕元総理の奥さま佳代子さんは、長年スペシャルオリンピックス日本(知的障がいスポーツの組織)の会長を務めてこられました。そして更に「温かみのある社会」の実現を目ざして、年齢や性別、障がいの有無に関わらず、誰もが一緒に楽しめるユニバーサルスポーツ「フロアホッケー」の普及に尽力されています。
フロアホッケーはカナダ発祥で、アイスホッケーを体育館で行うような競技。棒状のスティックで、円盤型(ドーナツ状)のフエルト製パックを奪い合い、相手のゴールにシュートするのです。
そしてこの春、佳代子さんからバトンを受けて私は日本フロアホッケー連盟の理事長を引き受けました。東京パラリンピック後、競技性の高いパラスポーツだけでなく、障がい者が気軽にスポーツに取り組めるよう、健康スポーツの普及も大切だと思ったからです。
会議でお会いした連盟の役員(理事)の皆さんは、温かい方々ばかりでした。2005年に長野で開催されたスペシャルオリンピックス冬季世界大会からのご縁で、信濃毎日新聞社社長の小坂壮太郎の姿も。「細川さんが一生懸命でしたから、応援したいと思いましたよ」と小坂さんは笑顔で。
そして全面的にサポートしてくれている会社が、食品トレー容器を製造するエフピコです。容器のリサイクルにも積極的ですが、何といってもグループの障がい者雇用率が12.7%。社長の佐藤守正さんも理事の一人で「障がいの有無にかかわらず、社員がチームを組んで共に汗を流すのがいいんですよ」とフロアホッケーの魅力を語ってくれました。大会運営にも社員の皆さんがボランティアで参加。私も先ずは体験し、どんどん仲間を増やしたいと思います。
(共同通信/2021年6月21日配信)