1月8日から2月7日まで、東京、千葉、神奈川、埼玉に緊急事態宣言が発出されました。大会での観客数に制限がかかるなど、スポーツにも影響が広がっています。昨年4月から5月にかけての緊急事態宣言に比べて、陸上競技場などの屋外スポーツ施設の使用に制限はありませんが、私が会長を務める日本パラ陸上には緊張が広がっています。
というのも、東京パラリンピックへの選考大会を目指す選手が少なくないからです。3月に日本パラ陸上競技選手権(東京・駒沢)、4月にジャパンパラ陸上(高松市)を予定。そこで記録を伸ばして出場資格となる世界ランキングを上げる必要があります。
車いす1500mの日本記録保持者の樋口政幸さんは「野田市や三郷市の競技場で練習を継続できます」と話します。また車いすマラソンでパラリンピック出場が内定している鈴木朋樹さんは「江戸川区の夢の島競技場や荒川の河川敷など、パラリンピックへ向けて練習環境に問題はありません」と。ひと安心ですが、地域によって練習環境は変わってくるでしょう。
トップアスリートのスポーツ大会は、観客数を制限すれば感染拡大のリスクは少ないと感じています。昨年9月に熊谷市で、日本パラ陸上競技選手権を無観客で行いました。選手や関係者など数百人がスタンドで試合を観戦。陸上競技場は収容人数が多いため、ソーシャルディスタンスを十分に保つことが出来たのです。選手や役員の健康管理や手指消毒など、競技場の出入り口を1か所にすることで、徹底することも出来ました。
連盟としては大会開催に向けてできる限りの準備をして、2月7日までの1か月間で感染拡大が収束することを願うばかりです。
(共同通信/2021年1月8日配信)