金沢百万石まつりが開催された6月初旬、市街地から少し離れた西部緑地公園陸上競技場では日本ID(知的障がい)陸上競技選手権大会が開催されました。ダウン症の部、パラ陸上種目も加わり、選手約280名が参加する盛大な大会に。
ウエルカムセレモニーで、2020東京大会を記念して制作された市民ファンファーレ「鳳曜」をはじめ、龍谷高校吹奏楽部によるステキな演奏が行われたのです。石川県知事の馳浩さんもいらしてくださり「日本海側で初の大会ですね。県民のパラスポーツへの関心が高まって、選手達の競技力向上につながると嬉しいです」とご挨拶。セレモニーにはネット中継の解説をする大森重宜さんの姿も。実は馳さん、大森さん、私の3人は、共に1984年のロサンゼルス五輪に出場した仲間。馳さんはレスリング、大森さんは400mハードルとマイルリレー、私は女子マラソンに出場しました。「同窓会みたい。でもメダリストが誰もいませんね」と笑いながら当時の話しでも盛り上がりました。石川県は競歩の舞台というイメージがありますが、またそこにパラスポーツが加わりそうです。
大会は天候にも恵まれ、2日間で4つのアジア記録、9つの日本記録、19の大会記録が出て、選手は大活躍。男子1500mと5千mの2冠に輝いた十川裕次さん(東京パラリンピック1500m9位)は「まだまだ記録出せます。パリパラリンピックがんばります」と第一歩を踏み出した手応えを語ってくれました。そんな選手達を支えてくれた人の中には、県内の8つの高校、専門学校、大学から約80人のボランティアの皆さんが。金沢のまちをあげての応援は、正に「百万石陸上」の素晴らしさでした。
(共同通信/2022年6月6日配信)