健常者と様々な障がいを持った選手が一緒に競技する「オール陸上」を3月21日、26日、27日に開催。最終日の27日は駒沢公園陸上競技場の桜は満開で、天気予報に反してお日さまも顔をみせてくれました。
プログラムを見てびっくり。東京パラリンピック男子走幅跳び(T63) 4位入賞の山本篤さんが、800mと5千mにエントリーしていたからです。ほんとに走るの?と聞くと「今日は僕にとってもオール陸上なんです。がんばります」と山本さん。義足でトラックの中・長距離は大変なはず。でも山本さんは、800mでは世界新記録を樹立。5千mも25分3秒で走り切ったのです。
この日の午後に、スポーツ庁長官の室伏広治さんが観戦にいらっしゃいました。すると、デフ(聴覚障がい)の選手たちと手話を交えてお話を。パラリンピックではデフの種目はありませんが、実は4×100mリレーでは2017年トルコでのデフリンピックで金メダルを獲得。今年5月にはブラジルでデフリンピックが開催されます。「また金メダルとってね」と室伏さんがにこやかな表情で話しかけると、皆満面の笑みでガッツポーズ。写真撮影も。「障がいの有無にかかわらず同じ場でスポーツに親しめることが大事ですね。これからもオール陸上応援しますよ」と室伏さん。大会に華を添えてくれました。
今回、健常者も含め、ダイバーシティ(多様性)競技会が開催出来たことは、新たな一歩に。それを受け入れて全面的に協力してくれたのが、東京陸上競技協会です。理事長の平塚和則さんの陸上愛が、障がいの壁を打ち破ってくれました。今後は来場者が観たり体験したり、楽しめる工夫を考えながら盛り上げていきたいです。
(共同通信/2022年4月4日配信)