全国都道府県対抗女子駅伝は京都チームが優勝。アンカーを務めた安藤友香さんはゴール後、走った選手だけでなく控えの選手達も讃えました。チーム一丸となっての勝利が伝わる素敵なコメントに感動。
そして駅伝ラストランの福士加代子さんが、青森県チームのアンカーとして笑顔でゴールイン。走りながら沿道の応援に笑顔で応える福士さんの姿に、1月末の大阪ハーフマラソンで引退かと思うと寂しい気持ちになりました。福士さんは、青森県の五所川原工業高校を卒業後、ワコールに入社。初めてチョンマゲ姿(前髪をゴムで結んで)で日本選手権に登場した時にはびっくりしました。「あれが一番走り易い髪型だったんですもん」と福士さんは当時を振り返ります。そしてレース中に笑顔をみせるのも新鮮でした。「苦しい時に笑える選手になりなさい」と恩師である安田昭信さん(陸上部監督)の言葉を体現していたのです。それまで、真面目さや悲壮感が漂う長距離選手のイメージを変えてくれました。
その実力も日本女子長距離史上最強で、日本選手権女子1万mでは6連覇を含む7回優勝。オリンピックはアテネから4回連続出場。ただトラックの女王福士さんが、そのスピードを持ってマラソンに挑戦した時は痛々しかったです。2008年の初マラソンでゴールに辿り着くまでに何度も何度も転び、マラソンの厳しさを体現しているようでした。でもその5年後のモスクワ世界選手権で、マラソンで銅メダルを獲得!
22年の競技生活で、カッコイイところもカッコ悪いところもみせながら、いつも自然体だった福士さん。飾らない人柄と笑顔でファンを虜にしましたね。福士さん、ありがとう。お疲れさま。
(共同通信/2022年1月17日配信)