全国各地で七夕を祝う行事も4年ぶりに復活したところが多いでしょう。七夕は私にとっても特別な日。沢山のことを学んだ恩師の永六輔さんが、天国に旅立たれた日でもあるからです。先に旅立った奥様のことをすごく愛していらした永さんですから、この日を選んで天の川で再会したのかもしれません。
そんな七夕の夕方、毒蝮三太夫さんの呼びかけにより、銀座ブロッサム・中央会館で「マムちゃん寄席」が開かれました。「きっと永さん天国でみてくれているよ」と毒蝮さんがご挨拶。TBSラジオの中継などで永さんと毒蝮さんはとっても仲が良かったのです。
私は観客席で楽しみましたが、舞台が豪華絢爛な顔ぶれにびっくり。紙切りの林家二楽さんや漫談の松元ヒロさん、浮世節の立花家橘ノ助さん、落語家の柳家わさびさん、春風亭一之輔、漫才のナイツさん、玉袋筋太郎さんと贅沢過ぎです。そして司会は、ラッキー池田さんとTBSアナウンサーの外山恵理さん。「これで6,600円は安いよね」と話す毒蝮さんが、ちょこちょこ面白トークでつなぎます。満員の900人のお客さまから笑い声が絶えませんでした。私の席の隣で大沢悠里さんが「プロはすごいね」を連発。本当に芸の神髄をみるようで、感服しました。
そして87歳の毒蝮さんのお元気な様子に驚かされます。頭の回転が早くて声にも張りがあります。寄席の後、思わず健康法を伺うと「好きなことやっているからね。スポーツクラブに週3回通っているし、家の中で自転車もこいでいるよ」と。ユーチューブにも挑戦しているのです。「“精出せば凍る間もなし水車(みずぐるま)”だね。続けるのが大事」と毒蝮さん。健康長寿の秘訣だと思いました。
(共同通信/2023年7月10日配信)