雨に濡れた紫陽花がみずみしい表情をしていた6月下旬、ラジオ大阪の原田年晴さんとお会いしました。朝やお昼の番組を長年務め、今はラジオで活躍する名アナウンサーです。実は来年5月に神戸で開催される世界パラ陸上競技選手権をPRするために、私から原田さんの番組へ出演を依頼したのです。すると「喜んで。どうぞどうぞ」と言って下さった原田さん。お会いするのは初めてで、楽しみで仕方ありませんでした。
ご縁のきっかけは、大阪に住む私の親友。外資系の会社で働くバリバリのキャリアウーマンで、原田さんの番組が大好きなのです。「明美ちゃんの解説を誉めてくれてはるわ」と彼女に言われ、原田さんにお礼のお葉書を書くと、その葉書も番組で紹介してくれたそうです。
そして金曜日の生放送。出番までスタジオの外で聴いていると、愛染祭のことを紹介され「大阪には愛染さん、天神さん、住吉さんという三大祭りがあります」と話す語り口が優しくて柔らか。耳障りがよく、永六輔さんのことを思い出しました。ラジオから匂いが伝わってきて胸が熱くなってしまったのです。
そしてスタジオに入ると「よく来てくれましたね」と原田さん。ランナーのようなスマートさで、私が愛染さんのあたり、谷町筋を走っている話しをすると「あの辺りは上町台地で西側に坂が多いでしょ。大阪七坂といって…」と。話しはどんどん広がります。私はゆっくり旅するよう走ってその土地を感じますが、原田さんはよく歩いていらっしゃるようです。神戸の大会の話が出来ない位、盛り上がってしまいました。「また来てください。神戸世界パ?陸上、番組も応援します」と原田さん。またお会いできそうです。
(共同通信/2023年7月3日配信)