9月27日、ニューデリー世界パラ陸上競技選手権の最初の決勝競技は、男子5千m(視覚障がい・全盲)でした。私はサンライズレッドの日本代表チームのウエアを着て、SUBARUパラ専任コーチの星野和昭さんと一緒に応援。SUBARU陸上競技部所属の唐澤さんにはメダルの期待がかかります。
「伴走の堀越(翔人さん)にとっても世界のデビュー戦です!」と星野さん。唐澤さんは東京、パリとパラリンピック2大会連続銀メダル。金メダルを目指して邁進する中、伴走者のレベルも上がります。そこでSUBARUでは監督の奥谷亘さんが「オリ・パラ両方大事」という考えのもと、会社を説得。唐澤さんの伴走者として、順天堂大学で箱根駅伝にも出場し、卒業したばかりの堀越さんを正社員として採用したのです。
レースは34℃の暑さの中スタート。応援していても顔から汗が。「この暑さは唐澤に有利!」と星野さん。唐澤さんと堀越さんは陸上部のある群馬県太田市を拠点に、暑い中で練習しているからです。
前半の伴走者は清水琢真さん。昨年のパリパラリンピック金メダリストのブラジル選手、2位のケニアの選手の後の3番手に二人が付きました。「いい位置、落ち着いて!」と星野さん。私は横で二人の名前を連呼して応援。そして残り2千mに近づいたところで、スパートしてトップに。直後、伴走者が堀越さんに代わりました。そこから更にペースを上げ、声をかけ合い追い込む全力の走りに、私は体が震えました。
大きく遅れたブラジルの選手がレースをやめ、ケニアの選手との距離も開き、唐澤さんと堀越さんは1位でフィニッシュ。汗と涙が一緒になった、美しい笑顔の金メダルでした。
(共同通信/2025年9月28日配信)