薄桃色のコスモスが風に揺れた朝、「東京世界陸上の勢いをもらっちゃいましょう!」と私は開会式でご挨拶。9月20~21日、福島県郡山市で北海道・東北パラ陸上競技大会が開催されました。今回はパラだけでなく、4×100mリレーで一般の人も参加できる「ふくしまリレーフェスティバル」を併催。新しい試みでした。
競技場に近いショッピングモール(ザ・モール郡山)の通路を提供して頂き、パラ陸上の選手たちの写真展を実施。また福島テレビの友人の浜中順子アナウンサーに相談し、大会の紹介とリレーの参加を募集するCMを流すことに。「障がい者スポーツの大会をテレビで宣伝するのは初めてです」と浜中さん。その費用は地元の、丸中産業、菊地医院、山口薬局などが「大会を応援します!」と、協力してくれたのです。
大会初日は家族の部で2チーム、友だちの部で10チームが参加。その中には体験教室で競技用義足を履いたばかりの小学1年生の男の子も。パラリンピアンの佐藤圭太さんからバトンを受けて、アンカーとして100mを走り切り、スタンドから応援の声と大きな拍手が起こりました。「トラックの中が賑やかになって、力を頂きましたよ」と、400mに出場した佐々木真菜さん(東邦銀行)は爽やかな表情。そして2日目は、高校生を中心に24チームがリレーで真剣勝負を繰り広げました。
来年はリレーだけでなく、幼稚園児や小学校低学年の短距離走(50mなど)も行おうと計画中です。競技場に来た子ども達は、車いすや義足、視覚障がいの選手たちと一緒になるので、良い経験になるでしょう。オール陸上から共生社会へ。皆で知恵を出し合って、賑やかな大会にしていきたいと思います。
思い出すのは、今から40年以上も前のこと。日本記録を次々と塗りかえていた私は「男じゃないの?」と疑われ、大学病院で検査を受けました。今のような頬内側の粘膜と血液検査ではなく・・・。でも「女性」として認められて、ホッとしました。
パリ五輪の女子ボクシングで、対戦相手の性別に疑問を感じて棄権したケースが。スポーツでは女性を保護しないと、体格差からも圧倒的に不利です。
競技場の中に社会を見るいう面では、今後の発展途上国やイスラム圏の女子の参加率にも注目しています。スポーツへの女子の参加は、その国の成熟度を表すから。日本の女子で初めて五輪に出場した人見絹枝さん(1928年アムステルダム五輪女子800m銀メダル)。当時は「女性が肌を見せて競技するなんて…」という声もあったそう。でもゴール後、他の選手が仰向けに倒れるなか、一人うつ伏せに倒れると「さすが大和なでしこ。倒れる姿も美しい」と。進化の道は続いていきます。
(共同通信/2025年9月22日配信)