蝉の声が盛大に鳴き響いた8月9日、神戸市灘区の王子スタジアムで「ありがとうイベント」が開催されました。昭和31年の兵庫国体に合わせて開場し、陸上、サッカー・ラグビー等たくさんの競技が行われてきた競技場です。老朽化もあり、再整備計画で取り壊され、2030年をめどに北側へ移転し、新しいスタジアムとして誕生する予定なのです。
この日、私はイベントにお招きを受けました。というのも、私はこの王子スタジアムでデビューしたからです。成田高校3年生の時、地元千葉で10㎞のロードレースやトラックの11万mで、当時の日本記録を5分近く更新していました。でも「距離が短かったんじゃない?」とか「彼女、1周足りずにフィニッシュしたんだよ」なんて言われてしまったのです。挙げ句の果てには「男かもしれない」と、病院で性別確認検査を受けました。そんな時に行われたのが兵庫リレーカーニバル!3千m、5千mに出場した私は、堂々たる日本記録で優勝。神戸新聞に大きく写真入りで掲載され、それが「天才少女」の幕開けとなったのです。
そんな思い出深い競技場。この日、フィールドではフラッグフットボールなどが行われ、トラックではブラインドランや4×100mリレーで盛り上がりました。100mのバトンリレー(何人で走ってもいい)があるというので、私は神戸市文化スポーツ局の檀特竜王さんと夫の3人で出場。2人がいい位置でアンカーの私に渡してくれましたが、足が思うように動かずビリになってしまいました。トホホ。でも「増田さん、スピード落ちたけど、フォームは全然変わっていませんでしたよ」と皆さんに慰められました。ありがとう、王子スタジアム!
(共同通信/2025年8月18日配信)