ポインセチアの鉢植えがお花屋さんに並び始めた11月末、駒沢オリンピック公園総合運動場で「第21回デフ陸上選手権大会、第4回日本デフジュニア・ユース陸上競技選手権大会」が開催されました。来年、東京で夏季デフリンピック競技大会が開催され、陸上競技は駒沢で。僭越ながら私は東京陸上競技協会の会長を務めていますが、この日の運営は来年に向けたリハーサルの気持ちで臨んだのです。
参加選手は約170人。競技場内にはピンクや黒などのビブスを着たボランティア(日本財団ボランティアセンターの方々)や運営スタッフなど400人位。メディアやスポンサー企業の関係者も多くて賑やかでした。来年に向けての意気込みが感じられます。
私はハンマー投げの選手の表彰を。「おめでとう」の手話は「指を上向きに蕾が膨らんで花が開くように」と教わりましたが、本番は勢いあまって打ち上げ花火のようになってしまい、皆大笑い。「選手は筆談オーケーですよ~」「スタートランプ、お願いしますね」等々、普段の競技会では耳にしない言葉が多く飛びかっていました。
また手話通訳の方々も各部所で陸上の専門用語の手話を確認。私は日常生活でも結構、身振り手振りで表現するくせがあり、それが聴覚障がい者の方に伝わり易いことも知りました。また選手は口元の動きも見るので、マスクは外します。
2022年、ブラジルでデフリンピックが開催された時、日本選手は渡航費の半分が自腹でした。加えて日本代表チーム内でコロナが発生し、途中で帰国。悔しい思いをした人はたくさんいます。来年の大会を機に、選手の皆さんの環境が良くなり、応援する人が更に増えるといいなと思っています。
(共同通信/2024年12月2日配信)