夏目漱石や正岡子規など、明治の文豪たちが愛した文化の香り高い愛媛県松山市。今は、俳句甲子園と呼ばれる高校生の俳句全国大会の舞台でもあります。
そんな松山で10月19日と20日の2日間、日本ID陸上競技選手権(兼)パラ陸上競技記録会が開催されました。パラ陸上の世界にも「坊ちゃん」と呼ばれる人がいます。松山出身の石山大輝さん(弱視)。パリパラリンピックでは日本選手団の旗手を務め、ルックスの可愛いらしさからも人気者のです。
石山さんは、新田高校、聖カタリナ大学出身。今回出場予定でしたが、脚に疲れがあり断念しました。この日、母校の後輩たちはボランティアで参加。「会いたかったです。神戸(世界パラ陸上)の銀メダルの跳躍がカッコ良かったぁ」と話していました。中学時代の恩師の坪内先生は「石山くんは真面目な選手でね、後輩たちの面倒見がいいのですよ」と。パラ陸上の世界にもスター選手が誕生しているのが嬉しいです。そんな石山さんだからでしょう。聖カタリナ大学の後輩たちも、また愛媛大学や松山大学等々、地元の生徒や学生の皆さんがボランティアで参加。愛媛陸上競技協会の皆さんと一緒に選手をサポートしてくれました。松山には応援の文化が根付いているなと感じたのです。
1日目は雷雨で30分位競技が中断される中、日本記録が4つ。2日目は強風でしたが、日本記録が3つ誕生。温かい皆さんのお陰です。千葉から参加の秋元くんは「まだ鯛めしを食べていないので、帰る前に監督と一緒に食べます」と元気いっぱい。「皆、給水は愛媛のポンジュースよ」といったら「みきゃん」(愛媛県のキャラクター)のような笑顔で応えてくれました。
(共同通信/2024年10月21日配信)