メジャーリーガー大谷翔平さんの活躍で「二刀流」という言葉が随分広まりました。実は陸上界にも可愛い二刀流がいるのです。私の授業も受講したことがある大阪芸術大学4年生の北川星瑠さん。大学の駅伝部で活躍しながら芸能活動も行っています。授業はいつも一番前の席で聴き、何事にも意欲的な人です。
そんな北川さん、先日中国成都で開催されたワールドユニバーシティゲームズ(旧ユニバーシアード)女子ハーフマラソンで優勝しました。気温27度、湿度80%という過酷な中で、前半はフランスの選手が独走し、中盤は6人の集団に。北川さんはラスト300mからのパワフルなラストスパートでトルコの選手を追い抜きトップでゴール。「北川の勝負強さには、頭が下がります」と同行した中瀬洋一監督も感嘆するほど。ちなみに、2位3位5位がトルコ。日本の永長里緒さん(大阪学院大)は8位、原田紗希さん(名城大)は14位。
実は私、北川さんの根性を日本学生女子ハーフマラソン選手権(松江)でも感じていました。この時は解説をしていましたが、彼女は大きな腕振りで実業団の選手に食らいつき、がむしゃらな走りで学生チャンピオンに。心躍りました。
北川さん、7月に松竹芸能への所属が決まりました。陸上と芸能活動を両立したいという彼女の思いを森脇健児さんに伝えたところ、森脇さんが動いてくださったのです。ユニバーで優勝した後、「応援して下さる方に恥ずかしくないレースをしたかった」と北川さんは話しました。そして「アスリートの私を多くの人に知って頂き、芸能活動に生かしたい」と。スポーツと芸能活動、共にスイッチが切り変わって大きな力が生まれるのだと思います。がんばって!
(共同通信/2023年8月14日配信)