朝のニュースで「今は地球温暖化ではなく、地球沸騰化です」と世界保健機構の方が話すのを聴いて緊張が走りました。日本各地も猛烈な暑さに見舞われる中、熱中症予防に細心の注意が必要です。
そして暑さに負けない体づくりのためには、食事も大切!と思っていたところ、ラジオ番組の収録で赤堀博美さん(赤堀料理学園校長・フードコーディネーター)と再会しました。赤堀さんと私は年齢も近く、楽しくておしゃべりが止まりません。夏バテをしないよう「お味噌汁を充実させるといいですよ」と赤堀さん。焼き梅とのり、鶏ささみときゅうりなど、沢山の具材をお味噌汁に入れてしまうのです。家ですぐに作ってみたくなりました。
赤堀さんは大変な歴史の道を走ってきました。というのも、日本で最初の家庭料理学校、赤堀割烹教場が開校したのが明治15年。その翌年に鹿鳴館が完成しています。料理店を営んでいた博美さんのご先祖さまの初代の峯吉さんが、お客様である政財界の奥様方に料理を教えたことが始まりです。伊藤博文さんの奥様、梅子さんたちが最初の生徒さんだったそう。博美さんは6代目です。受け継がれる歴史の中で洋食とのコラボやマスコミとの連携など試行錯誤を繰り返しながら今日に至っています。歴史を受け継ぐ重みを感じました。
そして博美さんは、ユニバーサルフードに力を入れています。日常の食事から介護食まで幅広く、食べ易さに配慮した食品です。「母が助けられています」と私は要介護5の母が、少量で栄養が取れるレトルト食を毎食戴いている話しをしました。「お野菜も豊富で味もいいでしょ」と博美さん。その笑顔は、料理で社会に貢献している、皆のお母さんのようでした。
(共同通信/2023年7月30日配信)