蕎麦の花が選手を応援するように咲いていた7月23日、第36回士別ハーフマラソン大会が開催されました。北海道士別市は陸上長距離の合宿の里として、毎年多くの実業団、大学チームが練習を行っています。
大会には合宿中の選手がたくさん参加する中、私はゲストランナーとして10㎞の部に出場。豹の中にネコが混じった感じでした。ゲストは他にも伊藤舞さん(リオ五輪女子マラソン代表)、原田雅彦さん(スキージャンプ金メダリスト)、阿部雅司さん(ノルディック複合金メダリスト)、中村勝さん(士別サムライブレイズ監督兼選手)と豪華絢爛。原田さんの話しによると、ジャンプの選手もよく士別で合宿を行っているとのこと。
2㎞の部に出場する原田さん、「最後まで走れるかな」と言うから皆大笑い。「練習では長い距離を走りませんか?」と私が言うと「増田さん、ジャンプは飛ぶ時の瞬発力が大事なんです。長距離はあまり走りません」と原田さん。ダッシュの練習はするそうです。「野球と似ていますね」と中村さん。野球は100mを8割の力で、全力で走るのは20mだそう。
「長い距離走ると言えば阿部さんだよね」と原田さん。阿部さんは「先日、千歳のマラソンでサブ3(3時間以内)を達成しましたよ」と笑顔。クロスカントリースキーで鍛えた持久力が土の上でも健在なのです。阿部さんはこの日もハーフマラソンを走り、1時間半でゴールしました。
「朝練習はしますか?」と伊藤さんが聞くと、皆さん笑いながら顔を横に振りました。陸上長距離選手は365日朝練習することを伝えると「偉いよね、真面目だね」と原田さんがしみじみと言うのが可笑しくて、また皆で大笑い。楽しい夏の日でした。
(共同通信/2023年7月23日配信)