世界経済フォーラムが発表した男女平等度ランキングで、日本は146カ国中、125位。スポーツ庁は2019年6月に、中央競技団体が遵守すべき「ガバナンスコー ド」を策定し「理事のうち女性を40%以上」という目標を設定し、スポーツ界の男女平等を推進しています。
今年6月、日本陸上競技連盟は女性理事が16%から43%に。なんと私も17年ぶり再選されたのです。2000年に理事になった時には女性枠が2人。「女性も入れておかなきゃ」というポーズ的な存在で、3期を終えたところで「色んな女性に経験させたい」と2枠に交代で女性理事が入る状態が続きました。でも今回の女性理事は13人。数が多いのに安心するだけではなく、女性目線を大切に何ができるかを考えていきたいと思っています。
「それでも数は大事ですよ!」と話すのは永井多恵子さん。NHKのアナウンサーや解説委員として活躍され、副会長まで務めました。女性で初めて五輪の実況(1972年の札幌冬季五輪)をした方でもあります。6月24日、宮嶋泰子さん(スポーツ文化ジャーナリスト)の主導によるカルティベータ女性スポーツ勉強会が開催され、そこで永井さんとお会いしました。爽やかなジャケット姿がオシャレで上品な方。基調講演で永井さんは、札幌五輪でフィギュアスケートの実況をされた時のエピソードを。「ジャンプの種類や技の難易度など専門的なことは分からないので全て解説者にお願いしました」と。こんな柔軟性は女性ならではです。せたがや文化財団の理事長時代には「職員全員と必ず一回はランチをする」とコミュニケーションの大切さを話されました。これからもステキな先輩達に学んでいきたいです。
(共同通信/2023年6月26日配信)