大型連休のスタートは、神戸での日本パラ陸上競技選手権大会から。4月29、30日にユニバー記念陸上競技場で開催されました。開始前に「来年に向けてのリハーサル。皆さん、朗らかにいきましょう」と私は運営スタッフにご挨拶。来年5月には同競技場で東アジア初となる、神戸世界パラ陸上競技選手権大会が開催されるのです。
運営の兵庫陸上競技協会は来年の大会に向けて、これまでにパラの競技を7回も実施。お陰でこの日もスムーズな運営のなか、アジア記録や日本記録、大会記録が沢山誕生しました。また走り幅跳びの山本篤さんはじめ、今年7月のパリ世界選手権の派遣標準記録を切った選手も多数。
そんな中で印象的だったのは、上肢障がいの石田駆さん(トヨタ自動車)です。2020東京大会ではメダルに及ばず、悔し涙を。今回、すでに派遣標準記録は突破している中でメキメキと力をつけてきた三本木優也さん(京都教育大学)との勝負に注目が集まりました。石田さんはスタートダッシュよく、11秒00の記録で勝利。清々しい表情でした。そして「今日は向かい風だったので、いつでも10秒台は出せると思います」と、手応えをつかんだようです。
面白い取り組みを目にしました。子ども記者の活躍です。4人の子ども達が選手にインタビューをしたり、レースの様子をリポートしたりする姿が。持っているノートを見せてもらうと、選手の障がいの様子がイラストで書かれ、選手の声がいっぱい。可愛い4人は石田さんにも走り寄り、インタビュー。すると、「強くなるためにはライバルの存在が大事です」と石田さん。
来年の神戸世界パラ陸上ではこんな触れ合いがたくさん見られそうです。
(共同通信/2023年5月1日配信)