国立競技場の周りに咲くツツジの花が選手を見守る横断幕のよう。4月22、23日、東京選手権大会が開催され、初日に田中希実さん、桐生祥秀さんの姿が。日本グランプリシリーズの大会「東京スプリングチャレンジ」も併催しているからです。未来の小中学生のために「東京ライジングスター陸上」の舞台もあり、観客席には多くの人が。田中さんが1マイルの部に出場。共に参加した下森美咲さん、松本未空さん、岡崎芽依さんは高校生です。
スタートすると、田中さんが1周66秒の速いペースで飛ばし、3人も後ろにピタッと。後半は離されましたが積極的なレースを展開。そして4分32秒73の日本記録を達成した田中さん、ゴール後「お疲れさま」と1人1人の高校生に声をかけていました。皆感激して「田中さんの速いペースを体感でき、インターハイでもがんばれそうです」と下森さん。
そして桐生さんが200mに出場し、優勝。潰瘍性大腸炎を患い3カ月間お休みしていたそう。その間、「会社の人がゆっくり休んで治してくださいと言ってくれて、有りがたかった」と桐生さん。ゴールすると真っ先に約150名の日本生命の応援団の元へ走り、大きく手を振りました。
その後、スタンドの中学生達にサインを求められサインを。バッグにサインを貰った1人の男の子が、感動し号泣してしまいました。その純朴さに感動した私は、どこから?と聞くと「青梅です」と。すると隣の子が「お父さんは運営していますよ」と。青梅陸上競技協会の荒木大輔さんの息子だったのです。「せいや、バスケットやっていて中学になって陸上始めたんです」とお父さんも嬉しそう。さまざまな未来へのバトンが感じられた爽やかさでした。
(共同通信/2023年4月24日配信)