近所の公園ではソメイヨシノから八重桜にバトンが渡ろうとしています。桜と共に美しい花を咲かせたのが、車いすテニスの国枝慎吾さん。先月パラスポーツ選手としては初めての国民栄誉賞を受賞しました。
その後、日本パラスポーツ協会からも特別功労章を受賞した国枝さん。その席で「私たちは先人の皆さんが作られた道にいる。これから続く若者たちにもよい道を作っていきたい」とご挨拶。謙虚で偉大な国枝さんに、会場から大きな拍手が起こりました。受賞式の後は特別賞を受賞したデフ(聴覚障がい)の選手たちに囲まれて写真撮影。デフの選手の明るさに圧倒されながら「私も手話を覚えます」と国枝さんはにっこり。2025年に東京で開催されるデフリンピックを目指す中、デフの選手達はどれだけ勇気をもらったことでしょう。
2024年5月には、神戸で世界パラ陸上選手権が開催されます。パラスポーツ全体を盛り上げるためには、日本代表選手が活躍することが必須。3月26日に開催された記録会で、中西麻耶さん(ドーハ世界パラ陸上女子走幅跳金メダリスト)が今夏のパリ世界パラ陸上の参加記録を突破。「今、競技人生で一番速く走れます」と麻耶さんは目を輝かせます。冬季練習が功を成しているようです。2024年夏のパリパラリンピックまで全力で取り組もうとする麻耶さんですが、彼女のプロアスリートとしての意識の高さには脱帽します。
これまでもコーチを求めてアメリカへ行き自分の土台を作りました。東京大会では惜しくもメダルを獲得出来ず、「でもスポンサーが継続してくれました。これから結果で恩返しします」と麻耶さん。パリの空に舞う準備は出来ています。
(共同通信/2023年4月3日配信)