山茶花が冬空を彩った1月15日、京都で開催された全国女子駅伝で、ひときわ注目を集めた選手がいます。岡山県代表のドルーリー朱瑛里さん、中学3年生。4区を区間新記録で駆け抜け、17人をゴホウ抜き。その姿はカッコよくて凛々しく、まるで少女漫画から飛び出してきた人のようでした。画面からスター性を感じた人も多かったでしょう。
実は彼女のことは、昨年12月の山陽女子ロードの時から話題になっていました。岡山陸上競技協会の人たちが興奮気味に「岡山にすごい中学生がいるんですよ。高校生や大学生、実業団選手も従えて走っちゃうからね」「お父さんはカナダ人でね。紳士ですよ」と言いながら動画を見せてくれたのです。なんだか孫自慢をするような温かさでした。ドルーリーさん、小学4年生から地元の津山ジュニア陸上競技教室に通い、当時は短距離中心でリレーを走ることもあったそう。
全国女子駅伝での激走を観ながら、短距離をしていたことに納得しました。腕振りは90度の角度をつけた肘が、しっかり後ろに引かれているランニングフォーム。またダイナミックなストライド走法(歩幅が大きい)。スッと通った鼻筋の延長線上、体の中心に着地をしているので、体がブレません。スピードを生む体の動かし方なのです。今回岡山県チームの監督だった山口衛里さんは「真面目な選手で何でも吸収しようとします。とっても賢いですよ」と話します。
今は、自分自身で練習法や栄養のことを学び成長しているドルーリーさん。すごく伸びしろを感じる選手です。目標を聞かれると「インターハイで活躍すること」と、夢を語らず近い目標設定を話すあたりもさすが!陸上界にも春の足音です。
(共同通信/2023年1月16日配信)