信夫山や街路樹の紅葉、阿武隈川の草紅葉まで美しかった11月13日、東日本女子駅伝で福島市を訪れました。中学生から社会人までがタスキをつないだ18都道県の選手たち。まるで動く紅葉のようでした。特に中学生は、夏に全国中学陸上競技大会も福島で開かれたので懐かしそうでした。
「新谷さんがフルーツ大福を差し入れしてくれました」と話したのは、東京の中学生たち。優勝候補東京チームは、アンカーに新谷仁美さんが控えています。2週間後に全日本実業団女子駅伝を控えた新谷さんですが「福島は私のパワースポットです!」と、この大会に思いを寄せています。というのも新谷さんは、2018年モスクワ世界陸上選手権から約5年間のブランクを経て、この大会で復活の狼煙をあげたからです。31分8秒の区間新記録で走り、4人をごぼう抜きし、優勝。衝撃的な復活劇で、鬼ごっこを楽しんでいるようでした。
そして今回も「2分の差なら追い抜きます」と大会前に新谷さん。それを聞いた各チームの選手たちは、アンカー9区間までに貯金を作ろうと必死。逃げ足が速くなったように感じます。大会を通して強化が進んでいるよう。「2分」とプレッシャーをかけたのは新谷さんの作戦かな?
そして今年はトップから1分差の2位でタスキを受け取ると早々にトップに立ち、2018年とピッタリ同じ31分8秒でフィニッシュ。東京チームを3大会ぶり10回目の優勝に導きました。お見事!
彼女は来年1月のヒューストンマラソンに出場する予定。ヒューストンは、1時間6分38秒の日本記録をマークした相性のいい大会です。福島で中学生達と過ごした時間は、新谷さんのマラソンの力になりそうです。
(共同通信/2022年11月14日配信)