この秋、女子マラソン界に旋風が巻き起こっています。9月25日のベルリンマラソンでダイハツ2年目の加世田梨花さんが2時間21分55秒でゴールし、鈴木亜由子さん(東京五輪女子マラソン日本代表・日本郵政グループ)が自己ベストを6分以上更新する2時間22分02秒で力走。その1週間後のロンドンマラソンでは、細田あいさん(エディオン)が2時間21分42秒の日本歴代8位の好記録でゴール。パリ五輪に向けて若い力が躍動しているのです。
加世田さんは成田高校の後輩。お祝いの電話をすると「ありがとうございます。でも40㎞過ぎにアメリカの選手に抜かれしまい…まだまだです」と満足していませんでした。
2020東京大会はコロナ禍にも関わらず、トラック種目で三浦龍司さんや田中希美さん、広中璃梨佳さんが日本記録を樹立。女子マラソンでも一山麻緒さんがアフリカの選手にくらいつき8位入賞と大活躍。母国開催でがんばる選手たちをみていた次世代が「次は私!」と燃えているのだと思います。そのことを日本郵政監督の髙橋昌彦さんに伝えると、「加えて一昨年のMGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ)は女子の参加が少なかったから、選手も指導者も挑戦する気持ちが強いのでしょう」と話しました。
東京五輪の代表決定戦であった一昨年のMGCは、男子の参加は30人いたのに、女子は10人。でもパリ五輪に向けた来年のMGCには、既に女子は23人が参加資格を取っています。「ただ世界はベルリン、ロンドンでも2時間15分から19分まで沢山いますからね。これから日本も19分切らないと世界と戦えません」と高橋さんは厳しい見方。先ずは来年のMGCの戦いが楽しみです。
(共同通信/2022年10月7日配信)