「皆さん、おかえり~。3年ぶりに石狩に帰ってきて、私たち鮭みたいですね」と挨拶した私。9月4日、北海道石狩市で開催された石狩サーモンマラソン(5㌔、10㌔の部)の開会式でのことです。約700人のランナーの中には「先週は北海道マラソンを走ったよ」という人も。石狩市体育協会会長の永井利幸さんは「開催に向けて準備していましたが、2万人が走った北海道マラソンに背中を押されましたね」と笑顔で話してくれました。ウィズコロナの時代、市民マラソン大会は大きな大会を参考にしているようです。
この日、私は青空の下10㌔の部に参加。道端のコスモスが風に揺れ、ナナカマドが赤い実をつけていました。秋を感じる心地よい風の中、ランナー同士のお喋りも楽しかったです。「久しぶりで嬉しいですよ」と話す60代の男性はコロナ禍でずっと練習不足だった様子。筋力が落ちて脚も細くなったと話しました。私も大会が少なくなり、ゆっくりジョギングばかりしたせいか、速く走れなくなりました。そんな話しをすると「それはミトコンドリアの数が減ったからですよ」と教えてくれるランナーも。マスクに慣れてしまったという女性に「そうそう、顔パンツって言うらしいですよ」と私が話すと大笑い。ゆっくり走りながらお喋りにも花が咲きました。
沿道からは「アラ、ご主人は?」と何度も聞かれ、私は「ずっーと後ろを走ってます」と返事。沿道の人は「増田明美の夫」というナンバーカードをつけて走る夫をからかうのを楽しみにしているのです。つくづく、一緒に汗をかいたり応援したりするスポーツの交流は、私たちの日常生活を元気にしてくれると感じました。スポーツの秋が始まります。
(共同通信/2022年9月5日配信)