8月28日、3年ぶりに開催された北海道マラソンにおよそ2万人が参加。圧巻の風景が戻ってきました。スタート時の気温は24.5度、湿度60%と、札幌にしては蒸し暑いお天気。私はスタジオで渡辺康幸さん(住友電工陸上部監督)とプロ野球を引退したばかりの斎藤佑樹さんと解説を。「僕は以前、渡辺さんのご自宅に伺ったことがあります」と斎藤さんが話すと「肩車してもらった息子は14歳になりました」と渡辺さん。早稲田大学の先輩、後輩でとても和やかな雰囲気でした。
女子のレースは、天満屋の松下菜摘さんが序盤からペースメーカーの前を走る力走をしました。調子も良いと聞いていたのですが、少しずつペースが落ち、中間点過ぎに青木奈波さん、山口遥さんに追いつかれて失速。「湿度が影響しているでしょうね」と渡辺さん。蒸し暑い中で前半からオーバーペースで進むと、後半のダメージが大きいのです。改めて夏のマラソンの難しさ感じました。斎藤さんは選手が飲む給水ボトルの中身に関心があるようでした。
さて、優勝した山口さんは前半を抑え気味にいき、後半徐々にペースを上げて、2時間29分52秒でフィニッシュ。MGC出場の資格も獲得。日本ブラインドマラソン協会の伴走者としても活動している山口さんは、この大会に向けて7月は北見での合宿に帯同。合宿中、この北海道マラソン視覚障がいの部で優勝した道下美里さんの40㎞走の伴走を2度行いました。こんな選手の優勝は新しいカタチです!レース後の記者会見で「私は駅伝もなく、実業団選手よりも有利な状況でマラソンに取り組めています」と山口さんはにこやかな表情。伴走が、むしろ山口さんの力になっているのだと感じました。
(共同通信/2022年8月29日配信)