やり投げの北口榛花さんが、オレゴン世界陸上競技選手権で見事銅メダルに輝きました。世界大会で日本女子投擲種目のメダルは初めて。彼女の愛らしい笑顔が、おめでたい気持ちを増幅させてくれるようです。
実は銅メダル獲得の前日、榛花さんのお父さん北口幸平さんとお会いしました。幸平さんは旭川市のホテルでパティシエをしています。私が仕事で士別市に行く前に立ち寄ったのは、榛花さんが予選をトップ通過した日。榛花さんにゆかりがあると聞いていたエクレアは売り切れでした。それでシュークリームを買っていると、幸平さんが仕事の手を休めて来てくれたのです。長身でスマートな方。予選の素晴らしさを話すと「たまたまですよ。決勝はどうなるか・・」と遠慮気味。「家内も私も陸上ではなく、バスケットボールをしていました」と幸平さん。スポーツ好きのご両親の影響で、榛花さんは子どもの頃は水泳とバドミントンをしていたそうです。
「榛花っていい名前でね」と言うと、「榛(はしばみ)はヘーゼルナッツの和名で、お菓子で大変重要なのです」と。人気のエクレアのクリームにはそのヘーゼルナッツがたっぷり!今は日本陸上界に重要な存在になった榛花さんです。
その後、榛花さんの銅メダルのお祝いをメールで。幸平さんはとても喜んでいました。彼女の母校旭川東高校野球部も、北海道大会で決勝へ。テレビで榛花さんの銅メダルを見届けた後は、スタルヒン球場へ応援に行ったそうです。
幸平さんと会い、榛花さんの笑顔と行動力の理由が分かりました。チェコの指導者へ連絡をとって指導を受けるなど、やりたい方へ伸びやかに進む榛花さん。そばにはいつも温かい家族がいます。
(共同通信/2022年7月25日配信)