京都市西京極にある「たけびしスタジアム京都」で、5月14日、15日にジャパンパラ陸上競技大会が開催されました。若葉の風に包まれるなか、東京、北京パラリンピックの両大会で活躍した村岡桃佳さんが追い風参考ながら100mで自己ベストに近い走りで優勝し、200mと2冠に。「復帰第一戦で、まずは無事に走れてよよかった。二刀流第2章が始まりました」と村岡さん。
また東京パラリンピック走幅跳びで4位だった兎澤朋美さんが今回、自身の持つアジア記録を更新。好記録に喜んでいるかと思いきや「まだまだ踏み切りのタイミングが確立できていない」と、満足していません。皆の兄貴、山本篤さんは走り幅跳びで6M15の好記録で優勝。東京大会でマラソン金メダルに輝いた道下美里さんは、1500mと5千mに出場してスピードを磨きました。パリに向けて始動しています。
そして今回、初の試みとして「フレームランニング」を取り入れました。障害がもっとも重い脳性麻痺などの人が、ペダルのない三輪車のサドルに座り、地面を足で蹴って進みます。欧米では盛んに行われていますが、日本では初レース。7人が参加。スタート前は泣いてダダをこねていた小学生の男の子は、走り始めると応援の声に喜び、ずっと観客席を見ながら走ったり止まったり。100mを約5分かけてフィニッシュ。また途中で止まって動かない女の子は、前方を歩くお母さんの手拍子に導かれて進みました。約2千人の観客がその一歩一歩を見守ったのです。自分の力で100mを完走した7人の何と晴れやかな表情だったことでしょう。舞台があることの大切さを知りました。日本でも広めていきたいです。
(共同通信/2022年5月16日配信)